回数ではなく転職の動機が重要

転職の捉え方

現在会社の管理職クラスにいる方は、終身雇用の時代だったこともあり「転職を多くする人は仕事ができない」という認識を持つ方が多いでしょう。確かに、入社してすぐの若い方が「自分の想像していた労働条件、仕事内容とは違った」「怒られてばかりで人間関係が悪くなった」「健康を害してしまった」などの自己都合が理由での転職はマイナスイメージを持たれやすいです。「何もできないのに口だけは一人前」「入社前のリサーチ不足でそのような思いをするようになったのでは？」と思われることは当然です。
入社して数年は、社会人としてのマナーや常識を身に付ける期間でもあります。自分の思った仕事と違っていたからと、早まった転職をするのではなく、まずは我慢することも必要です。そして、当然入社してすぐに仕事ができる訳ではありません。仕事を自分のものにできるまでの期間は、上司からの注意や会社の経営方針に反感を持たず、実績を積むことが第一です。

転職回数を挽回できる転職の動機　

転職の動機として、マイナスイメージがあるのは自己都合です。そして、リストラ。リストラされたのは会社へ貢献していなかったからだろうと意地悪なことを言う方がいるのも事実です。ですが、やむを得ない状況で転職を余儀なくされる場合がほとんどでしょう。例えば、会社の運営が上手くいかずリストラされてしまった、会社が倒産してしまったなどです。いくら努力しても、会社全体の問題により転職しないといけない状況には抗えません。このような場合、ほとんどの会社では、会社のトップが経営方針を誤ったため招いた結果だと考えてくれるでしょう。もし、そのような状況になっても尻込みする必要はないのです。
そして、転職するにあたりベストな動機はポジティブなものです。ある程度実績も積んだ結果「レベルアップのためワンランク上の会社に転職したい！」「転職先の仕事内容に興味があり、やりがいを感じた」など前向きな動機が高評価につながります。転職回数が多くても、キャリアアップや仕事に対してやりがいを持つ人は積極的に採用されます。転職を考える時は、まず前向きに自分の将来を向上しようとする意識を持つことです。

転職とその未来

この先、多くの終身雇用世代の方は定年を迎えます。時の流れと共に、「転職をする人は仕事ができない」というイメージも薄くなっていくでしょう。
しっかりとした実績があり、スキルを身に付けていれば、転職回数が多いことをマイナスと受け取らない会社は多くなります。ただし、学校を卒業し就職した20代などの時期は注意が必要です。経験を積むべき時に、転職を繰り返すことは不利になることも多いのです。社会人としての経験を積んだ上でならば、転職回数に縛られない状況がつくっていけるでしょう。どちらにしても、これから自分がどうしたいか、どのような働きを転職先でやりたいかを明確にしておくことが大切なのです。